劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語 感想・考察(象徴・モチーフ)

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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語 見てきました!!

 

凄く凄く面白かったです!


個人的に納得のいく、しっくりときた続編でした。


特典色紙はまどか&ほむらでした~


本命はマミさんでしたがこれはこれで良いかなと。

 

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色々考えながら、そして展開を予想しながら見ていく上で


とても納得がいく作品でした。


TVシリーズもそうでしたが予想を裏切ることなく越えていきますよね。


背景シーンの密度の高さのせいか、やはり何かを象徴してるカットが多いので


色々と妄想しながら見てしまいました。


ウィッチクラフトワークスや神話好きの影響でしょうか)

 

 

 

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まどマギのBGMはとても好きなのですが、


今回もアレンジや新BGMが素晴らしかったですね


何度も何度もグッときたりウルッときたりしました


今まで主にアレンジBGMだったのが、


ほむらが三つ編みを解いていつもの姿に戻ったシーンで


原曲にかなり近いBGMが流れたのが特に印象的でした。


ほむらが魔女化したシーンの新BGMも良かったですね…


早くサントラが欲しいところです!

 

 

 

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 「ピュエラ・マギ・ホーリークインテット


マミさんの仕業でしょうね笑


PSPのルートにもありましたが、

 

協力して戦うのは理想であり叶わなかった未来ですよね…


笑えると同時に泣きそうになりました。

 


変身シーンはダンスがモチーフな感じでしたね


始めは面食らって笑いましたが、劇場版の一回限りですし


あれはあれで夢の中っぽくてありかなと(笑


かなりうろ覚えですが、


マミさん:フィギュアスケート
杏子:フラメンコ(?)タンゴ(?)
さやか:ブレイクダンス
ほむほむ:ベリーダンス(?)
まどか:メイド喫茶(?)アイドル(?)


みたいな感じでしょうか?


自分の殻を破るような演出でしたね。

 

ナイトメアの空間内でもバレエを踊っている背景が現れたり、

 

OPでもほむらの周りで4人が踊っているシーンがあったので、

 

踊りは何気に重要なモチーフなのかもしれません。(詳しくは後述)


ナイトメアを捕まえたあとのお茶会、


歌っていたのはマザーグースか何かのモチーフでしょうか? 気になります。

 

 

 

 

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ほむらが違和感を感じたあと、魔法少女カラーの風船が映るシーンがありましたね。


赤い風船が飛び立ち、ほむらは杏子を呼び出し相談を持ちかけました。


話が進むにつれて開放的な背景カットが違和感満載の映像に変わっていきました。


その中でもドーム状の天井に風船達が引っ掛かっているシーンが印象的でした。


あれはソウルジェム内部に閉じ込められているという暗喩なのかもしれませんね

 

 

 

 

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魔女の結界に閉じ込められているという現状に気づいたほむら


まどかの願いを汚した事への怒りを抱きながら水上を船で進んでいましたね。


水上には白鳥が沢山おり、白馬のボートに乗って進んで行きました。


個人的な意見ですが、


神話や伝承や童話において、白鳥は異世界への行き来の象徴だと思っています。


白鳥の騎士や変身譚など色々理由はありますが詳しくは割愛します(笑


水や湖などは異なる世界との境界の象徴でもありますし、


いわゆる「遠いところ」へ行ってしまうという暗喩だと思います。


(専門でも何でもなく単なる好き者の意見です)


そして白馬に乗ることは、権威や威厳、神に近い者としての象徴です。


ここで神とはまど神でしょうね。


怒りに任せて突き進みます。


ここでまどかと出会えたのは破滅的な何かを回避できたのかもしれませんね。


もしくは背中を押されてしまったのか…。


因みに夢診断において白馬とは、プラトニックな恋愛への憧れを象徴するそうです。


そして魔女や悪魔が乗っている場合は、激しい性欲を象徴しているそうです。


この世界はほむらが見ている夢のような世界ですし、


魔法少女としてのほむら、

 

そして魔女や悪魔としてのほむらの感情を良く表しているような気がします。

 

 

 

 

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ほむほむ VS マミさん


マミさん好きとしてはたまらない活躍でしたね!!!

 

もっと言うとマミあん派でまど神派です(聞いてない)


敢えて多くは語るまい…


アニメキャラとしてもRPG的な性能としても


アクション的なかっこ良さとしても女性的な可愛らしさとしても


前向きなところも直向きなところも強さ弱さも引っ括めて愛おしいですね。

 

今回ベベ(シャルロッテ=なぎさ)がマミさんを支える存在として登場しましたが、

 

まど神は魔法少女が魔女化してしまったあとの悲劇も知っているでしょうし、

 

理性も心も無くして殺してしまったからこそ

 

今度は支えて助けてあげて欲しいというまどかの思いだと考えると

 

私としてはとてもほっこりとしますね。

 

魔法少女としての願いを尊重しつつ

 

魔女すらも救ってしまったまどからしいと私は思います

 

 

 

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ほむらとまどかが何度も話す公園の丘


咲き乱れる白い花は大きさや葉の形、


そして綿毛のような種子から考えておそらくイチリンソウだと思われます。


本来夜には咲かないのですが、夢だからこそでしょう。


イチリンソウの花言葉は「追憶」


そしてスプリング・エフェメラル「春の儚いもの」「春の短い命」という意味です。


一気に花々が枯れていくシーンは切ない物がありますね

 

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因みに再会して最初に公園で話していた場所で咲いていたのはシロツメクサです。

 

こちらの花言葉は「復讐」「約束」「私を思って」です。

 

 

 

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自身が魔女であることに気づいてしまったほむら


平和な頃に沢山飛んでいた飛行船は、


夢診断では自由への憧れや願望、日常からの逃避や自分の弱さを象徴するそうです。


そして、飛行船の墜落は不安定な関係の崩壊を象徴するそうです。

 

 

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その後ザクロのような物をもった人々が現れ、投げつけらるシーンが登場します。


ザクロは再生と不死に対する希望のシンボルなのですが、


ほむらの周りが食べ、投げつけられることから、


どちらかと言うとペルセポネとハデスの伝承モチーフではないでしょうか。


ほむら=ハデス、つまり死者の国の主。


そして死者の国の食べ物であるザクロを食べた者は冥府を去ることができません。

 

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PSPで判明した魔女化したほむらホムリリィが彼岸の魔女であり、


魔女化するときに彼岸花が咲き誇ったことからも

 

そのようなイメージなのかもしれません。

 

因みに彼岸花花言葉は、

 

「情熱」「独立」「再会」「あきらめ」 「悲しい思い出」

 

「想うはあなた一人」「また会う日を楽しみに」 

 

です。

 

そして魔女のような外見から更に変化した姿は、

 

顔の上半分が無く、そこにヒガンバナが咲き、

 

背後に蓄音機が付いた姿は、

 

まどかへの思いや本音を隠し、(言うことができない)

 

同じ時を繰り返してきたことの象徴なのかもしれません。

 

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ここでほむらが日常に違和感を感じ始めたシーンを思い返してみますと、

 

通学路の隣に流れる川にほむら達の日常が映り込み、次第に睡蓮が浮かび始め、

 

モネの有名な絵画である睡蓮のようになっていきます。

 

ギリシャ神話において黄泉の国(ハデスの国)には

 

忘却や隠匿を象徴する川、レーテー(真実を意味するギリシャ語と関連)と

 

飲めば全てを記憶し全知に達すると言われる川、ムネーモシュネーがあります。

 

魔女の結界によって忘却した者達、

 

そして円環の理に導かれ全てを知ることになった者達

 

彼女らのかつて存在したかもしれなかった平穏な日常を

 

再生と復活の象徴である睡蓮の花で表し、

 

異世界との境界を象徴する水面で表したのかもしれません。

 

因みにヘルモポリス系のエジプト神話の中で語られる天地開闢では、


睡蓮の花から世界が生まれたとされているそうです。

 

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更にハデスには象徴として糸杉があり、ポセイドンと同じく馬とも関連があります。

 

ほむらが乗っていた船も白馬が意匠でしたね

 

(ハデスの馬は黒であることが多いですが)

 

そして糸杉はクリスマスツリーとして用いられることが多いですが、

 

くるみ割り人形においても夢の世界との境界の象徴としても用いられていますね。

 

くるみ割り人形について詳しくは後述)

 

因みにレーテーの母エリスが

 

女神テティスとペーレウス結婚式に招かれなかった腹いせに起こした行動は

 

眠れる森の美女の物語のヒントになったと言われています。

 

眠れる森の美女について詳しくは後述)

 

ここまで考えると、白鳥の湖の冒頭

 

花を詰んでいたオデット姫を悪魔ロットバルトが白鳥に変えてしまう話は

 

花を詰んでいたペルセポネをハデスが攫ってしまった話に似ているかもしれません。

 

白鳥の湖について詳しくは後述)

 

 

 

 

 

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キュウべぇはほむらの崩壊寸前のソウルジェムを干渉遮断フィールドに封じ込め、


まど神による円環の理が届かない環境における実験を行っていました。


結果魔女化もできず、魔女化が漸近線の如く延々と汚れを溜め続け、


ついには発散するがごとく爆発してしまいました。


ほむらの時間操作でまどかが因果の特異点になったように、


キュウべぇの実験によってほむらは極限状況に追い込まれ、


魔女よりもおぞましい存在になってしまいましたね。

 

 

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ざっくりと私のイメージを図で説明するとこんな感じですかね。

 

わかり辛いですが、縦軸は魔力が減る=汚れが溜まっていくという意味です。

 

ソウルジェムの崩壊が始まると円環の理が働き浄化されてしまう。

 

だから干渉遮断フィールドによって円環の理の目を誤魔化し、

 

なおかつソウルジェムという形を維持させ崩壊させない極限を見極めて

 

状況を理解しようと試みたのだと思います。

 

パンフレットによると既に様々な実験を行ったようで、

 

ソウルジェムはかなりボロボロでしたね。

 

観測用の固定器具などがとても痛々しいです。

 

何故こんなことになってしまったのか


私はひとえにマッドサイエンティストキュウべぇのせいだと思います(笑


しかし悪魔と言うなら願いの対価に魂を抜き取るキュウべぇこそが悪魔ですよねー


当時もキュウべぇの正体として予想があったりしましたね。懐かしいです。

 

魔法少女は魂に形を与えて抜き出すことで肉体的には強くなりましたが、

 

魂がむき出しの状態なので精神的には弱くなっていると思います。

 

他作品で例えるなら神曲奏界ポリフォニカの精霊みたいなイメージです。

 

魔力の使用がそのまま魂の汚れとなり絶望を生みやすくなる精神となります。

 

だからこそエネルギー回収としても効率が良く、廃棄物である魔女の退治も容易い。

 

きっとそういう仕組なんですよね…。

 

ここまで限界に近い程汚されてしまったからこそ、

 

深く深く絶望し、たがが外れてしまったのだと思います。

 

ヤンデレになってしまうのも仕方のないことですよ…(早く助けてあげて!!

 

 

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ここでキュウべぇはヒビの入ったソウルジェムを卵の殻という比喩をしました。


TVシリーズでソウルジェムが砕け、

 

中からグリーフシードの針が出現した時も思いましたが、


不死身の老人コシチェイをモチーフにしている部分もあるんですかね?


コシチェイは肉体と生命が別になっており、彼の魂は針の先にあり、


その針は卵の中に入れて隠されています。

 

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その後ソウルジェムはダークオーブというビンの形状になり、


底にはトカゲの紋章が描かれています。


蛇やドラゴンは悪魔の象徴として用いられたりもしますね。


PSPで判明した方のホムリリィはかなり一般的な魔女の外見に近いことから、


ダークオーブがビン形状をしており、底にトカゲの紋章が描かれているのは、


大鍋でトカゲを煮て色々な薬を作成するイメージからきているのかもしれません。

 

そして他にもほむらのシーンではトカゲが描かれているのですが、

 

トカゲは聖書では控え目に光を求める魂を象徴し、

 

(羽ばたき頂点を目指す鳥との対比)

 

アフリカでは神々の使者であり永久の死を告げる役を表します。

 

(カメレオンが死後の復活を告げる役で正しいのですが、こちらが大体負けます)

 

そして、夢診断においては

 

自己の側面や本能的衝動、無意識の創造性、見えない敵を表すそうです。

 

つまりトカゲはほむら自身を表してるのかもしれませんね。

 

平常時のほむらでしたらまどかの願いを尊重したでしょうが、 

 

魂が汚れに塗れてしまい、自身の奥底にあった欲求によって

 

見えない敵から自分勝手な愛でまどかを守ろうとしてしまった

 

そしてほむらの世界からは出られない

 

ということを象徴しているのかもしれません。

 

(死後の復活は無い=彼岸の魔女の国からは出られない)

 

まどかと一緒にいたかったという抑えていた本心が、

 

魂を汚され尽くしてしまったことによって爆発してしまったのかもしれませんね。

 

ダークオーブのビンの底にトカゲが描かれているのは

 

汚れよりもおぞましいものの底に沈んでいるのは

 

そういう意味もあるのかもしれません。

 

 

 

 

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魔女のその後


今回さやかやなぎさが登場し、


円環の理に導かれた魔女たちはまどかの元で幸せに暮らしていそうでしたね。


その事実だけでかなり救われて泣きました(笑


まど神の一部としてそれこそ天国のような場所にでも行っているのですかね…


今回の登場はかぼちゃの馬車に乗ったシンデレラの如く一時的なものでしょうが、


完全に消滅したものだと思っていたので嬉しかったですね。


ここで魔法少女という言わば戦士を連れて行く存在、


そしてそれに対抗する蛇、


と聞くと北欧神話を連想してしまうのですが、


その場合ラグナロクで世界は炎上して、一部を除いて全滅エンドなので却下です(笑

 

 

 

 

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ここまでほむらの置かれた環境について考えてきましたが、

 

ここでほむらの内面についても考えたいと思います。

 

ほむらが自ら魔女化を決断するとき、ガーベラの花が何度も登場します。

 

ガーベラの花言葉は「希望」「辛抱強さ」「神秘」「崇高美」

 

特に赤のガーベラには「常に前進」「チャレンジ」という意味があります。

 

そしてほむらは、まどかを助けるために魔法少女になったのと同様に

 

今度もまどかを助けるために魔女になることを受け入れます。

 

自ら呪いを募らせ魔女化を加速させていきます。(この間まだソウルジェムの中)

 

しかしほむらにとって希望と絶望の相転移ではなく、希望も絶望もまどかのため。

 

今までずっとやってきたことも、これから行うことも

 

同じまどかへの思いであることに気づきました。

 

干渉遮断フィールド内でまどかの力を発揮させないため

 

ソウルジェム内で魔女として完結する道を選びます。

 

しかしまど神としてのまどかではなく、

 

円環の理の一部としてのさやかとなぎさを含むみんなに救われ、

 

干渉遮断フィールドは破壊されます。

 

ここで(結界内で記憶を操作された)まどかの本音を聞いていたほむらは、

 

(ほむらちゃんですら泣いちゃうような辛いことなんて私には絶対無理)

 

やはりまどかを救うために行動します。

 

ソウルジェム内で限界まで溜められた汚れをまどかへの思いとして受け入れ、

 

まど神と匹敵する存在になったほむらは宇宙の理を変え、

 

自分を迎えに来たまど神から円環の理のうち

 

まどかとしての記憶(とさやかとなぎさ)を引き裂きました。

 

どんな姿になり果てようともまどかを救うと決意した心は

 

結界内と同じく現実世界においてもまどか達に仮初の平穏を与えました。

 

ほむらのしたことは、

 

結界内でさやかが言ったように決して悪だけではないと思いますが

 

(魔女の結界内と現実世界という違いがあるにせよ)

 

ほむらの思いを捻じ曲げ、まどかの決断を踏みにじったのは

 

やはりキュウべぇのせいだと私は思います。

 

 

 

 

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遮断フィールド内で眠り続けるほむら


ソウルジェムを噛み砕き、兵隊の使い魔を引き連れキュウべぇを倒していくほむら


黒い羽を生やした衣装を身につけ踊る悪魔ほむら


これらはチャイコフスキーの三大バレエをモチーフにしたのではないでしょうか。

 

 

眠れる森の美女

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遮断フィールド内で眠り続けるほむらは

 

眠れる森の美女をモチーフにしていると思われます。


そして何度も出てくるピンク色の糸が巻かれたボビン。


これは何度も何度も同じ時を繰り返し、

 

まどかの因果の糸を巻き続けた暗喩ではないでしょうか。


呪いによって刺さると眠りについてしまう糸車の紡錘は、

 

コシチェイの伝承にもあった卵の中の針、


つまりソウルジェム内のグリーフシードではないでしょうか。


まどかの因果の糸を紡ぎ続けた魔法の終わりによって、


現れた錘は最後にはほむら自身を眠りにつかせてしまいます。

 

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糸車には車輪がついているのですが、

 

ほむらが自身が魔女であることに気づいたとき、

 

バス停で何度も車輪を棒で転がして遊ぶ子供が登場します。

 

車輪は周期や規則的繰り返しの神秘的暗喩であり、

 

夢診断においては「自分が自分に出会うこと」「運命の輪」

 

「カルマの輪」「永遠の円」を意味するそうです。

 

魔女である自身との出会い、そして逃れられない運命の象徴かもしれません。

 

因果の糸を巻き続けたほむらの魔法

 

その終わりを糸車の崩壊によって表しているのかもしれません。

 

(ハリボテのソウルジェム→壊れた糸車の残骸としての車輪)

 

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ほむらがダークオーブを作り出すときにも

 

ピンク色の糸を巻いたボビンが登場します。

 

これはまどかの因果を巻き続けたほむらのソウルジェムとの別れであると同時に

 

まどかが変えた宇宙との別れを象徴しているのかもしれません。

 

 

 

 

くるみ割り人形

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世界を改変したほむらは自らソウルジェムを噛み砕いてしまいます。


これはくるみ割り人形がくるみを噛んで割ることを


モチーフとしているのではないでしょうか。


ほむらが率いる兵隊のような使い魔も、


くるみ割り人形をモチーフとしているように感じます。

 

他にも歯の姿をした使い魔が口からクルミを発射したり、

 

口の中にクルミが入っている映像が何度も出てきます。


くるみ割り人形という物語においてドロッセルマイヤーという老人は、


おもちゃと時計を作る職人であり、時を操る魔術師でもあります。


彼の甥がネズミの女王の魔法によってくるみ割り人形


変えられてしまうことから物語はスタートします。

 

 

 

 

 

 

 

 

前半の変身シーンやお菓子とお茶会も、

 

ひょっとしたらくるみ割り人形をモチーフにしているのかもしれませんね。

 

お菓子の国に辿り着いたクララは、

 

お菓子の精たちによって歓迎の宴を受けます。

 

ここでは様々なお菓子の精たちが色々な国の踊りを踊っていきます。

 

結末としては歓迎の宴の後、クララが夢から覚める演出があります。

 

ナイトメアの場合は悪夢が甘い夢に変わることで浄化されるという結末ですが、

 

クララ=ナイトメアということかもしれませんね。

 

そしてほむらがソウルジェム内で魔女化したときにも様々なモチーフが登場します。

 

バスの上で自分が魔女であることに気づいたとき、

 

座席には十二時を知らせる時計がたくさんあり、その後フクロウ達が止まります。

 

そして崩れゆく街にクリスマスツリーなどが立ち上がり、

 

使い魔達とキュウべぇの争いが始まります。

 

これはくるみ割り人形において、フクロウの柱時計が十二時を告げ

 

クリスマスツリーの下で目を覚まし、人形達とねずみの戦いが始まる

 

という夢の中の世界の始まりと一致します。 

 

ナイトメアは歓迎を受けて浄化されて終わりますが、

 

ほむらは夢の中戦い続けて終わります。

 

そしてクルミを割る側であり、魔法を掛けられたくるみ割り人形

 

つまりくるみ割り人形=ほむらだと思います。

 

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自らソウルジェム噛み砕いた(ここでようやく孵化した)こともありますが、

 

その後ダークオーブの形がどことなく万力型のくるみ割りにも似ていることからも

 

そうなのではないかと私は思います。

 

自分でも気づいていない心の奥底では

 

この悪夢から救い出して欲しいと思っているのかもしれませんね。

 

因みにくるみの花言葉は「知性」「謀略」「知恵」「野心」のような意味があります

 

 

 

白鳥の湖

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ここまで考えると、悪魔ほむらの衣装は、


単に悪魔もしくは堕天使としての黒い羽だけではなく、


白鳥の湖に登場する悪魔ロットバルトの娘、


黒鳥オディールをモチーフにしていると考えると


あの衣装は個人的により一層ピッタリだと思います。


眠り姫、くるみ割り人形、白鳥オデットであるほむらを助けにきたはずのまどかは、

 

相手が黒鳥であることに気づくことができませんでした。


白鳥の湖において白鳥オデットと黒鳥オディールは同じバレリーナが演じます。


魔法を掛けられたヒロインから、悪魔の娘への変貌を


モチーフを使って良く表せているような気がします。


まるで神話のようにまど神の一部を引き裂いて取り込み、


2人で永遠の世界に旅立ってしまう終わり方は、


白鳥の湖のエンディングに近いものがあるかもしれません。

 

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月が不自然に半分しかないのは、今やまど神と拮抗する存在となり、


世界は二分してしまったことの暗喩なのかもしれませんね。


これから先どうなってしまうのか、続きが気になります。


今回は色々な意味で救済の物語でしたが、

 

ほむらには今度こそ救済されて欲しいものです!


続編が楽しみですね!!!

 

 

象徴・モチーフ 一部まとめ

ここまで羅列してきた象徴やモチーフの一部を
主にほむらについてまとめてみたいと思います。


魔法少女としての暁美ほむら:オーロラ姫(眠りの森の美女)
              魔術師ドロッセルマイヤー(くるみ割り人形
              白鳥オデット(白鳥の湖
              ペルセポネ(ギリシャ神話)
              トカゲ(控え目に光を求める魂)


ソウルジェム:糸車、ピンク色の糸が巻かれたボビン(=まどかが改変した宇宙)
       魂の付いた針を中に隠した卵(スラヴ神話のコシチェイ)


グリーフシード:糸車の紡錘(眠りの森の美女)
        魂が付いた針(スラヴ神話のコシチェイ)


魔女の結界(魔女、または仕組んだキュウべぇ):魔女(眠りの森の美女)
                       ねずみの女王(くるみ割り人形
                       悪魔ロットバルト(白鳥の湖
                       ハデス(ギリシャ神話)
                       トカゲ(永久の死を告げる役)


悪魔ほむら:目覚めたオーロラ姫(眠りの森の美女)
      くるみ割り人形くるみ割り人形
      黒鳥オディール(白鳥の湖
      冥府の女王ペルセポネ(ギリシャ神話)
      トカゲ(魔女が大鍋で煮る)


ダークオーブ:くるみ割り、魔女の薬品または釜

 

他にも心情を表す象徴や、展開を予想させるようなモチーフなどが含まれています


詳しくはもう一度上の方を読んでみてください(長すぎて本当にごめんなさい)

 

かなりグダグダと羅列してしまいましたが、


とりあえず一回見た衝動のまま色々と吐き出してみました。


ひとまず悶々と考察してみたので、これらを踏まえつつもう一度見たいですね!


ではでは~