思い出のマーニー 感想,考察または解釈

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思い出のマーニー見ました!!!

ポスターやPVの時点で私のセンサーに反応しまくっていましたが、

めちゃくちゃ好みの映画でした!

元々ジブリは好きでしたが、ぶっちぎりで好きなジブリ映画になりましたね。

そもそも一番上のポスターが発表された時に一目惚れしたのがきっかけでした。

「魔法」というフレーズに惹かれてしまったのも事実です(笑

そして最近になってCMなどが始まって見てみると、

なんともまぁ素敵な百合オーラが…(こんなこと言ってると怒られるかな?

しかも舞台が湖、そしてよさ気な音楽と。

これは飛びつかざるを得ず、公開初日に見に行ってしまいました!

というわけで感想ですが、私は原作は読んでいないので、

あくまで映画を見た上での感想です。

感想というより自分の楽しみ方かもしれませんね。

 

 

 

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舞台は北海道、時期は七夕でしたね。

北海道の七夕は時期が一ヶ月遅く、この「ローソクもらい」という行事は、

七夕から盆にかけておこなわれる地域もあるそうです。

初めてマーニーに出会う直前、見つけたボートにはローソクが残されていましたね。

先祖の霊を迎え入れるための目印である盆提灯。

迎え火というよりもむしろ杏奈が迎えられていますが、

二人の不思議な出会いはそうした時期に相応しいのかもしれません。

 

 

 

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そして舞台として重要な湿地。

湿地にはあまり詳しくありませんがわかりやすく湖と呼びます。

青空、夕焼け、星空、様々な空を映しだしとても綺麗な光景ですよね。

二人が船を漕ぐシーンなんかもう…良いですよね

湿地特有なのでしょうが、所々に点在する草むらが、

風や気候などを感じさせてとても素敵だと思います。

そして杏奈がマーニーに会うために屋敷へ向うには、

必ずこの湖を渡る必要があります。

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湖に限らず水や水面という物は、異世界との境界を象徴します。

お伽話や神話や伝承では、そこを越えて不思議な世界へ行ったり、

そこを越えて誰かが別の世界へ行ってしまう、または向こうから誰かがやってくる、

などと言った話が沢山あります。

杏奈がマーニーに会いに行く場合には必ず満潮時の湖を越えて行き、

干潮時の湖を越えて行ってもマーニーには出会えません。

例外としては、夢の中で出会うときやマーニーが迎えにきたときでしょうか?

夢の中で出てくる霧や雨なども同じような物を象徴しているのかもしれませんね。

そういえば七夕の織姫と彦星も天の川を越えて出会いますね。

湖を越えて出会う二人は、七夕の二人とも重なっているのかもしれません。

そして七夕に降る雨は催涙雨と呼ばれ、

会えない織姫と彦星が流す涙と伝えられているそうです。

異世界との境界を表す象徴としての「水」という意味では、

杏奈が流す涙も夢が異世界と繋がる役割を果たしているのかもしれませんね。

 

 

 

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マーニーが杏奈にプレゼントし、その後何度か登場したこの紫の花は、

ムシャリンドウと呼ばれる花だそうです。その花言葉は「凛とした」

そして少し広くリンドウの花言葉は「あなたの悲しみに寄りそう」だそうです。

マーニーが最初に杏奈にプレゼントし、最後に杏奈がスケッチしたこの花には、

そのような意味が含まれているのかもしれません。

 

 

 

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物語ではこの塔型サイロも重要な役割を果たしていましたね。

塔のタロットは正位置で崩壊や災害や悲劇を象徴し、

逆位置では緊迫や突然のアクシデントや誤解を象徴するそうです。

そして寓画の解釈としては、塔自体が、

二人の人物が自らの作り出した強固な自意識の殻に閉じこもり、

他のいかなる存在も認めていなかったことを象徴し、

そこから何らかの外的要因によって開放される場面を

描き表した様子と解釈されるそうです。

他にも塔は天と地をつなぎ神々が地上に降り立つ道筋を提供する役割を示しますが、

存在する場所は塔の先ではなく、塔の外に広がる世界、

その更に上であるという意味を持つそうです。

つまりこの雷は、怒りであり災いであり救済であるのかもしれません。

塔での出来事は、マーニーとの諍いやすれ違い、

そして天(?)からきたマーニーとの別れのきっかけになってしまいましたが、

二人の恐怖や不安などからの救済にも繋がったということかもしれません。

 

 

 

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個人的な意見ですが、

湖を渡ってからの出来事は本当にあった「不思議な出来事」で、

それに加えて夢の中でもマーニーと出会えたのだと思います。

つまりマーニーは幽霊であり杏奈の記憶でもある存在だと思います。

例えば杏奈の記憶の奥底にあったからこそ、

過去の出来事をなぞって幽霊として現れることができた…とか

二人の出来事全てが過去に代わりの誰かと起こった出来事とは限らないと思うので、

今回の二人が初めて交わした交流もかなりあると個人的には思います。

後に結ばれる幼馴染みとの塔での出来事が綴られた日記のページは破られ、

失くした靴は木の柱の上に置かれ、

知るはずのないマーニーの容姿を知っていました。

(若い頃の写真か絵を見せられた、または幼い頃に抱いていた人形が元かもですが)

それでも久子さんに描いた絵がそっくりだと言われ、

ボートの漕ぎ方をマーニーに習ったりもしましたね。

全てが夢で妄想だと考えるのは違うと個人的には思います。

しかしそれと同時に重要なのは実際にあったかどうかではなく、

全てが夢であろうがなかろうが、

その出来事によって杏奈が救われたという事実だと私は思います。

私も凄くリアルで不思議な夢に救われた経験があります。

多くの人が忘れてしまう、子供の頃に経験する不思議な出来事。

妖精のようなものでもあるかもしれません。

妖精連れられて別世界へ行き、妖精と踊る。

そこでの話は決して誰にも話してはならない。

みたいな話は如何にもお伽話ですね。

札幌にいた頃の杏奈は絵を描いても人物は上手く描けなかったのが、

マーニーと出会ってマーニーを沢山絵描くようになり、

マーニー以外の友人たちにも心を開いていくようになるのが素敵だと思います。

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これは、祖母であって祖母ではない、当時の女の子マーニーと、

杏奈の物語だと個人的には思います。

この奇跡のきっかけは、お盆や七夕、湖、記憶、過去の出来事の再現など、

沢山のことが重なったのかもしれませんが、

祖母がマーニーという一人の女の子に出会わせてくれて、

そして二人はお互いに救われたのかなと感じました。

お盆という時期に、杏奈の記憶や舞台を依代に、

祖母が若いころの自分を友達として寄越してくれたのかなと。

制約として過去の出来事に縛られる部分もあるけれど、

それでも杏奈の最愛の友達でいつづける事を選んだのは、

今のマーニーの選択のような気がします。

まぁ触れ合えるなら幽霊ヒロインは結構好きなので、

そう考えたいだけかもしれませんが(笑

人魚の花籠の続報まだですかね…

百合と言ったら怒られるかもしれませんし、

百合とまではいかないのかもしれませんが、

祖母と孫、だけではなく、

杏奈という女の子と、マーニーという女の子の物語だと私は思いました。

 

 

 

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最後に、あまり関係ないですがこの窓の鍵を破るシーン、

天使の像のようなもので鍵を破壊していたのが、

何か禁断めいたものを感じたといいますか、

そういった運命的な何かを無視してでも、

杏奈と心を通わせたかったのかなと思ってグッときてしまいました(百合脳

杏奈の側も干潮で霧も出ていませんでしたし、

本当は二人が会えるのは塔の時が最後だったのかもしれませんね。

(杏奈の側は「涙」を流し夢を見ていました。)

過去の出来事や記憶に縛られた幽霊、それを乗り越えてでも…

すみません、脱線しました。

グッときたと言えば、お母さんが最後にお金の話を打ち明けてくれたのも、

偶然が全てではなく、マーニーがひと押ししてくれたのかなとか想像して

グッときてしまいました(笑

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とまぁ私の解釈というか楽しみ方はこんな感じです。

いいですね。杏奈とマーニー、やはり百合です(ぇ

家族愛や友情など色々なものをひっくるめてそう思いました。

舞台や映像、二人のヒロインと設定、音楽など、

色々な物が好みで大好きな作品になりました。

普段ジブリを見ていては刺激されないツボを沢山押されてしまいましたね(笑

色々とうろ覚えでしたし、また映画館で見て浸りたいですね!

ではでは~